お野菜を通したお客様とのコミュニケーションを大切にする德永紘一さん

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大牟田ひとめぐり 德永紘一

農家でありながら、お客様と顔が見える対面販売を行う德永紘一さん。バンドマン、アパレルショップ店長、IT企業など様々な職種を経験した後に新規就農。農薬や化学肥料を使用せず多品目の作物を販売。農業に対する想いをお伺いしました。

一番の喜びはお客様と直接言葉を交すこと

仕事は今までいろいろやってました。元々バンドをしていて、その時にいろんなアルバイトをしていました。バイト先で働いていて社員にならないかという話も頂いたりしましたが、社員になると土日入らないといけないんで、それだとライブできんやん!こんなんロックンロールじゃねぇと!笑

その時は全く農業は考えていなかったですね。むしろ逆ベクトルにいました。それでも、なんだかんだ3年以上仕事を続けているのは農業だけなんですよね。

昔、アパレルショップで働いていた頃にお客様からフォトブックを手作りでもらいました。それこそ、ネットプリントなんかもないし、作るのは大変だったと思います。それを当時の上司が本部に上げてくれて、それから店長に抜擢していただいて店舗を任されました。その時からお客様と直接言葉を交わしたりするのが好きでした。そこに一番の喜びがあるのを知っていたから、お野菜を作るにしてもそこは欠かしたくなかったんですね。

実際にイベントで対面販売をしていて、毎回買いに来てくれる方がいて、その時に美味しかったよと言ってもらえることは自分で販売していないと経験できないです。

販売先の人の顔が見えるからこそ頑張りがいがある

お店に卸す場合もなんですが、お店の方に対して業者になってしまうと持って来てもらうことが当たり前になってしまうじゃないですか?でも、知った料理人に直接使ってもらうとお客様にこういう風に出したよ、美味しいと言ってくれて食べてくれたよ、と料理人を通して生の声が聞けるんですね。ただ持ってきましたよー、いくらですよー、じゃあそこの声はもらえません。食べてどうだったかが一番重要なので、その声がもらえるかを大切にしています。

うちは無農薬で少量多品目でやっていて、まとまった量を卸すことができないので、お店さんとの関係を大切にしています。販路はお店さんに卸すことが多いんですが、イベントでブースが隣で知り合ってこういうの作れないか?と聞かれるのでチャレンジして出来たら連絡して、次から注文してもらうことが多いです。

また、季節モノの野菜ができるころにお店さんに連絡して、持っていきますね。そういったお店さんは、向こうからも気にしてくれてお店の方から「今なんかあるん?なんでもいいけん持ってきてよ!」と言っていただけます。そういう時は変わり種の野菜の方が喜んでいただけますね。より関係を深めていただけるお店さんとお付き合いしていきたいですね。そういったお店さんは常連さんがいらっしゃって、常連さんにメニューにはないけど今日はこんな野菜が入ったから、これが作れますよと言える。この野菜は德永っていう農家が作ってるんですよと出してもらえる。

そういう方だと、作ってるときに気合が入りますね。あの人のために作るんだって。販路先がわからなくて誰が食べるんだろう、誰のために作るんだろうってなるより、この人が喜んでくれる、顔が見えるこそ頑張りがいがでてきますよね本当に。

德永農園 インタビュー

あんた本当に農家?と言われたい

なんとなく、農家さんっぽい農家さんにはなりたくなかったんですよ。そういう気持ちは昔バンドをやってる時あって、別にコミックバンドになりたいわけじゃないけど、ちょっと変わった面白いことをやってた。

理想は「これあんたが本当に作った?」と言われたい笑。ニヤッと笑って、作ってるんですよと言いたいですね。今はこれが上手くいってます。販売してるときは作業服でないので。作業中は、なるべく日焼けしないように帽子のつばも大きめにしたりなんかして工夫してます。

でも、他の農家さんからすると「あんた本当に農家しよっと?」と怒られちゃいます笑。あんた本当に農家?にも2種類あって、本当にしよる?のマイナスな場合と、本当になさってるの?そうは見えないけど!というプラスの場合があります。お客様にとってこのギャップはプラスなのかなと、エンターテインメントとして楽しんでもらいたいと思ってます。エンターテイナーなんで笑。どこでもお野菜は買える状況の中で、自分のお野菜を選んでもらえるなら美味しさや、楽しかったという価値を提供していきたい。

お客様と話したくて仕方ない

お野菜の販売のイメージってどうしても「いらっしゃい〜いらっしゃ〜い」じゃないですか?自分はそれを言いたくなくて。エンターテインメントの一つとして遊びに来てもらっているので、こんにちはしか言わないですね。お客様と話して、これなんの野菜?こんな野菜でこういう風に食べるといいですよって、コミュニケーションを取りながら販売したい。

農作業してるときは話さないので、反動でイベントの時は話したくて仕方ないです笑。イベント終わると、周りの方は疲れた〜と言ってる中で自分は帰りたくない〜って言ってます笑。みんな打ち上げしようよ〜!って。作業中ももちろん楽しいですけどね。畑をおこした後ってめちゃくちゃ気持ちいいですよ。草をかってかき集めて、おこしてを2,3回繰り返さないと綺麗にならない。畑をおこした後は農作物を収穫したときくらい楽しいですね。

德永農園 大牟田ひとめぐり

農業をすることで、次に進むステップになれば

農家の方でも様々な方がいらっしゃって、自分は販売まで全部やっていきたいのでやってます。どっちかいうと外に出たいタイプなので、自分で作りつつ、仲間がいて、こんなんできたけど売るとこないかな?と聞かれたときに、じゃあこういうイベントあるけん一緒に売りに行こうかと、そういう仲間が増えていくと心強いですね。そのためにまずは自分の農業のレベルを上げて、德永農園て頑張ってるねと言ってもらえるようになりたいです。

それと、新規就農の方とお話したいですね。自分も新規就農だったので自分と同じ悩みにぶつかっている人の参考になることもあるだろうと思います。売るのが苦手な方もいらっしゃると思いますし、自分と同じで寂しくて話したい人もいるだろうと笑。たまに災害もあって、仲間内で助け合いたいときもあったり、繁忙期もあっていつまでに収穫しないといけない、種まきや植え付けをしないといけないとかもあるので。

今後は雇用をしていきたいと思ってます。現時点では、農業はやり方によるけど食っていくには難しいっちゃない?と思われている方が多い。でも、しっかりやれば食べていけます農業は。自分のとこで3年から5年修行して、独立していく人が増えれば。農業はなんだかんだ楽しいので。そうすれば、人生楽しい!農業やってて良かったという人が増えていって、自分のとこから独立した人が他の人を楽しませようと頑張ってくれると思うので、そうすれば農業はなくならない。農業じゃなくてもいいですね。農業をすることで、次に進むステップになれば。太陽の下で作業して、草と格闘して、なにかしらの元気が出ると思います。

自分も農業のキッカケはおばあちゃんのもちきびの手伝いをして、農業も選択肢として面白いかもしれないと思いました。そこから実際に農業をやってみて、農業楽しい!と。そうとう身体はきつかったし、元々虫も嫌いだったんですけどね笑。不思議なんですよね、こんなに農業が楽しいのに農家の跡取りがいないのが。

農業は頑張った人には結果が出ます。しっかり農業に取り組む人には、道が切り開けるので。農業をやってみたいと思う方が現れたときに、勉強できたり、人生に対して考える時間がもてるように雇用をしたいですね。

德永紘一

德永農園代表。大牟田市上内(かみうち)の古くから続く蜜柑園にて経験を積む。柑橘類の栽培と同時に、農薬を使用しない露地栽培の栽培や水耕栽培によるベビーリーフ、リーフレタスの栽培を行う。約3年を経て独立し平成24年6月德永農園を開園。農薬や化学肥料を使用せず多品目の作物を販売し、飲食店への納入や個人宅への宅配、各種イベントでの販売を中心に展開。付随する活動として、隣接する熊本県玉名郡南関町の同志と共にNPOを主宰し、農業体験や山林での体験活動などの開催・指導を行う。(公式HPより抜粋)

公式HP:http://tokunaga-nouen.com/

Facebookページ:https://www.facebook.com/tokunagafarm

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『大牟田ひとめぐり』編集長。1990年佐賀生まれ。 近畿大学卒、IT系ベンチャー企業を経て、大牟田市地域おこし協力隊に。
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