【大蛇山まつり前日】三池本町祇園宮・大牟田神社第二区祇園・三区八劍神社の様子【2019】

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こんにちは、ライターの幸森です。

本日は大蛇山まつり前日に行われた準備の様子をお届けします。

準備の撮影は、大牟田祇園六山の中から特集取材を受けて頂いた三社にご協力頂きました。

  • 三池本町祇園宮
  • 大牟田神社第二区祇園
  • 三区八劍神社

祇園六山と言っても祭り中のスケジュールはもちろんのこと、前日の準備もそれぞれに異なります。

でも共通して言えるのは、翌日からの祇園祭を無事に執り行えるよう一丸となって準備に取り組まれていること。

私たちが毎年楽しんでいる大蛇山まつりの裏舞台、どうぞご覧ください。

三池本町祇園宮の御前山大移動

三池本町祇園宮と言えば、柳川藩主から贈られたという重厚な造りの『御前山』です。

とても貴重な山車であり、負担のかかる作業はなるべくなら控えたいところ。

しかし祇園六山巡行で御前山を見たいという市民からの熱望を受け、数年に一度は三池から大正町へトレーラーで運搬しお披露目されています。

今年は三池本町祇園宮が一番山であることから、御前山による祇園六山巡行が行われました。

とても大きく豪華な山車は多くの方の目を引いたのではないでしょうか。

まつり前夜、三池本町祇園宮ではこの御前山の大移動が行われるとのことで、その様子を撮影させて頂きました。

夜21時頃に連絡をもらい神社へお邪魔すると、目に入ったのは大きな大きなクレーン。

このクレーンを使って大蛇山の頭と御前山をトレーラーに積み込んで、大正町の待機場所まで運搬すると言うのです。

三池本町祇園宮の大蛇山は、まつり初日の入魂式までその顔を見せることはありません。

運搬中も顔が見えないよう、カバーがかけられた状態で積み込みが始まりました。

大勢の手で抱えられた大蛇山はクレーンに取り付けられ宙へ。

大蛇山が無事に積み込まれたら、次はいよいよ御前山です。

見上げると首が痛くなりそうなほどに大きな御前山ですが、なんと取り外せるのは屋根の部分のみ。

クレーンに装着すると、木槌を使って屋根の取り外しが始まります。

こうして無事に大蛇山と屋根を載せたトレーラーは、第一陣として大正町へ出発。

数人がトレーラーに乗り込んで安全確認しながら、三池の狭い路地をそろりそろりと進んでいきました。

続いて屋根が外された御前山の積み込みです。

慎重に積み込まれた御前山は、またしてもそろりそろりと大正町へ。

通常なら10~15分ほどで到着する距離を約50分ほど掛けて運ばれていきました。

大正町に到着すると、今度は積み下ろし。

先に降ろされた御前山へ屋根が取り付けられます。

小さな差し込み部分を確認しながら、これまた慎重な作業です。

四方が同時に差し込まれないといけないので、高さや角度を調整して何度かやり直しながらやっとこさ取り付けられるんです。

そして最後に大蛇山の頭を御前山に取り付ける作業が待っています。

こちらもまた一筋縄ではいかず、バランスが崩れると頭が前へガクンっと傾いてしまい、私は撮影しながらドキドキひやひや。

無事に取り付けられたときには思わず感嘆の声をあげて拍手してしまいました。

作業が終わったのは日付が変わる頃。

取り付け中にずれた顔のカバーを整えたら、警備の数人を残して一旦撤収。

山車の装飾は制作担当者の手でまつり当日の早朝に行われたそうです。

まさかこんなに大変な準備が行われていたとは知らず、私は翌日の祇園六山巡行がますます楽しみになったのでした。

大牟田神社第二区祇園

同じく深夜までかけて準備していたのが、大牟田神社第二区祇園。

大牟田神社前ではまつり前日の午後から山車の組み立てや神前小屋の設営が行われていました。

汗を流しながら準備する、二区祇園會十三代目青年団長の岡田さんも発見。

大蛇山の製作同様に口頭で語り継がれるこの準備、先輩たちは率先して手を動かしながら後輩へ的確な指示を送っていきます。

山車の向こう側では、今年インタビューを受けて頂いた花火長であり製作長でもある吉田さんが牙を取り付け中。

大牟田神社第二区祇園では山車の装飾が終わった段階でお祓いをして、それから大蛇山の頭が取り付けられます。

その後、別で製作されていた奉納部品の取り付け、黒目入れが行われるのです。

黒目が入った大蛇山は、一段とキリッとした表情になります。

大牟田神社第二区祇園の大蛇山は、下から見上げた時に大蛇山と目が合うのが特徴。

ギロリと睨まれているような迫力がありますよね。

これで完成かと思いきや、なんとここからさらに微調整が始まるのです。

もはや私には全くわからないレベルの細かい調整。

以前大蛇山の製作が行われていた大牟田神社へお邪魔した際も、「そこまでしなくても!」と思うくらい、ひとつひとつの部品を細かく丁寧に何度も修正しながら作り上げている姿が見られました。

たった二日間しかその姿を見せない大蛇山ですが、そこには製作に携わる方々のこだわりと愛情がたっぷりと詰まっていることを改めて実感。

準備からこれだけ熱意を持って取り組まれているからこそ、あの勇壮さや気迫が生み出されるのでしょう。

二区祇園會の皆さんの、細部まで徹底して手を抜かない姿勢に頭が下がりました。

三区八劍神社の舞方・囃子披露と開眼式

同日夕方、三区八劍神社へ足を運んでみると、そわそわしている子どもたちの姿がありました。

三区八劍神社では、大蛇山の開眼式前に行われる舞方・囃子のお披露目が恒例行事。

まつり当日は引き子として参加する小さな子どもたちも、この時は太鼓を叩かせてもらえるのだそう。

披露が始まると子どもたちは元気いっぱいな姿を見せ、大勢のご家族がその様子を見守っていました。

この温かな時間に、子どもに軸を置いている印象が強い三区八劍神社の優しい一面を垣間見た気がします。

大きな拍手に包まれてお披露目が終わると、囃子長である別城さんから子どもたちへ翌日に向けた最後の言葉が送られて子どもたちは解散。

別城さんも子どもたちもまつりに向けて緊張感が高まっているのか、いつにも増して真剣な眼差しに見えました。

子どもたちが解散してから30分程経った頃でしょうか、三区八劍神社の大蛇山格納庫周辺がざわざわとし始めました。

『開眼式』の様子を見ようとたくさんのギャラリーが集まっていたのです。

「今年はどんな顔やろうか?」

「早く見たいね!」

その時を楽しみにしている声があちらこちらから聞こえてきます。

大蛇山が多くの市民に愛されていることが伝わってきて、私は何だか胸がぽかぽかしていました。

そしていよいよ布に覆われていた大蛇山の目があらわに。

「わぁ~っ!!」という歓声と共に、無数のフラッシュが光ります。

笑顔でその様子を見守っている三区八劍神社の皆さん、きっと誇らしい瞬間なのでしょうね。

準備の取材を終えて

まつりの前日は大牟田の至る所でこんな光景が見られるのかと思うと、大蛇山は本当にこのまちの大切な宝物であることを痛感します。

汗を流して準備してくれる人たちがいて初めて成り立つ大蛇山まつり。

みんなで守っていきたいですね。

このあともまだまだ大蛇山レポートをお届けしますので、楽しみにしていてください。

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幸森 彩香
1985年宮崎県出身。地域の魅力を可視化するフリーライターとして活動中。言葉と肉と甘いものをこよなく愛する肉食系文学女子。produced by OmutaTwinkles
大牟田ひとめぐりとは?
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