令和元年度おおむた『大蛇山』まつり特集episode08吉田英之(大牟田神社第二区祇園二区祇園會)

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【まつりを支える人たち】をテーマとした令和元年度おおむた『大蛇山』まつり特集。

所属先やポジションにこだわらず、様々な『縁の下の力持ち』を探し、巡っていきます。

episode08の語り手は、大蛇山には欠かせない花火を操っている吉田英之さん。

私たちにとっては当たり前である大蛇山の花火ですが、迫力ある演出をするために様々な工夫が隠されていることを教えてくれました。

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見えないところで走り回る花火長

吉田さんはepisode00でご紹介した岡田さんと共に、大牟田神社第二区祇園二区祇園會の一員として大蛇山に携わっています。

令和元年度おおむた『大蛇山』まつり特集episode00岡田則彦(大牟田神社第二区祇園二区祇園會青年団長)
こんにちは、ライターの幸森です。 【まつりを支える人たち】をテーマにした今年度のおおむた『大蛇山』まつり特集では、所属先やポジショ...

吉田英之さん

大牟田神社第二区祇園 二区祇園會 花火長

花火に配属されて5年、花火長としては3年目の夏

昨年私は二区祇園會に密着取材をしていて、吉田さんの姿も幾度となくお見かけしていました。

ところが、巡行中の写真を見返してみると吉田さんが写っていないのです。

ようやく見つけたのは、神社近くでかませを行っていた際に撮影した一枚でした。

吉田さんは昨年も花火長。

大蛇山の巡行には欠かせない役回りのはず。

巡行中一体どこで何をしていたのでしょうか?

吉田さん:

「巡行にはちゃんとついて行きましたよ!気付きませんでしたか?

大蛇山の首を振っていたのが僕です。」

大蛇山の首……?

どこで誰が振ってるのかなんて考えたことはありませんでしたが、確かに大蛇山は巡行中ずっと首を左右に振っています。

そこで改めて、大蛇山の首元に注意して写真を見ていくと吉田さんの姿を発見!

わかりましたか?

わからなかったあなたのためにもう1枚。

そう、吉田さんは大蛇山の顎に隠れるポジションで、あの豪快な首振りをコントロールしていたのです。

吉田さん:

「花火部署は花火と首振りで生きた大蛇を表現する役割を担っています。

二区の大蛇山は下顎が固定されていないので、ぐわんぐわんと揺れてより生命感の強い動きができるんですよ。

その動きのために、顎の裏に入って首を振るのが巡行中の僕の役割になっています。

配属されて2年目のときに、先代花火長から首振りをやってみないかと言ってもらって。それからですね。」

花火長というからてっきり山車の上で花火を振っているのかと思いきや、一番人目につかないところで首を振っていたとは……。

吉田さん:

「1日目の巡行を終えた大蛇山は、2日目の本祭に向けて夜通し修繕をするんですよね。

僕は製作長もしているので、その修繕も担当します。

どう大蛇山をコントロールするか修繕を見越して考えられるので、最適なポジションじゃないかなと思っていますよ。パワーもいりますし。」

製作に携わっているからこそ作りもわかっているし、修繕の大変さも理解できる。

首振りが吉田さんに最適な役割なのは納得です。

しかし花火長と製作長という2つの大役を担っているなんて、どれだけパワフルだとしてもさすがに忙しすぎるのでは……?

吉田さん:

「実は花火の仕事が忙しいのは、前日から祭りの期間中なんです。

毎年秋には花火を入れる竹をとりに行きますが、そこから祭り前日まで花火部署だけで集まる機会はさほどありません。

コミュニケーションが重要な部署なので、時々食事に行って仲を深めることはありますけど。

だから僕は年明けから行われる製作にもがっつり関われるんですよ。

大蛇山と一緒に寝たいくらい大好きですしね!」

夏に祭りがあって、秋に竹をとりに行って、冬から製作して……吉田さんの一年は大蛇山尽くし!

本当に大蛇山のことを愛しているのでしょうね。

当日は大忙しの花火部署

祭りの日に花火部署全体としてはどんな動きをされているのか教えて頂きました。

吉田さん:

「花火をどの場面で何本使うか決めたり、前日に届いた花火を仕分けしたりするのは僕ら花火部署の役割ですね。

二区は祭り期間中に全部で1000本以上の花火を使用しています。

適当に使ってしまえば肝心な場面で花火が足りなくなってしまいますし、一番盛り上がる山崩しになるべく沢山使えるよう考えないといけません。

当日花火は危険物なので離れたところで保管していて、巡行前に必要な分だけ山車へ運び込むのも僕らがやっています。

巡行が始まったら花火と一緒に山車の中へ乗り込んで、配分を考えて山車の上にいる台上がりへ花火を渡して。

巡行中熱が上がってくると『もっと花火をくれ!』と言われることも実はあるんですが、場面ごとに決められた数を守って渡すことも花火部署の重要な役割ですね。

もちろん燃えかすの後処理も僕らがやるので、巡行の前後はかなりバタバタと走り回っていますよ。」

生き生きと話してくれる様子から、吉田さんが花火部署に情熱をもっていることが強く伝わってきました。

一見目立たない仕事ばかりに思える花火部署ですが、吉田さんはどんなところに魅力を感じているのでしょうか。

吉田さん:

「囃子、下山、見送り、女神輿……いろんな部署があって、それぞれにかっこいいポイントってありますよね。

じゃあ花火のかっこいいポイントはどこなんだろうって考えたとき、大蛇山の勇壮さや幻想的な空間を作り出す演出だなと。

それで過去のDVDを引っ張り出してきて研究して、色んな演出を考えてみることにしたんです。

例えばそうですね、花火部署では煙幕も扱うんですけどに顔の横から出していた煙幕を顎下から出すように変えてみたことがありました。

そうしたら『巡行を終えて火照った大蛇から湯気が立ちのぼっているみたいでかっこいい!』と言ってもらえたんです。

ちょっとした工夫で見え方が変わるとわかって、ますます魅了されましたよね。

首振りにしても、実は色々考えていて。

六山巡行と山崩し巡行では三区八劍神社さんとの競演があるので、より一層迫力ある演出になるよう協力しているんです。

六山巡行では左右に並んで進行するので、首の振りを揃えて同じタイミングで大蛇山の顔が内側へ向くように。

山崩し巡行では対面になるので、ギリギリのライン上で首を振って下顎のヒゲが擦り合うようにしています。

色んな演出に注目して大蛇山を見て頂くと、また違う楽しみ方をして頂けるんじゃないですかね。」

大蛇山の動きや花火、煙幕にこんなにも沢山のこだわりが込められていたとは気付いていませんでした。

これは要チェックですね!

▼六山巡行での様子

吉田さんの愛情とこだわりが詰まった二区祇園會の大蛇山は、銀座通り商店街内の大牟田神社近辺や27日夜に行われる六山巡行で見ることができます。

ぜひ会場へ足を運んでご覧ください。

令和元年度おおむた『大蛇山』まつり特集スペシャルサポーター

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首振り・花火・煙幕には意味があった

後に聞いた話によると、大蛇山の首振りや花火、そして煙幕にはそれぞれ意味が込められているそうです。

大蛇山の頭をよく見てみると、『御幣棒』が取り付けられています。

※御幣棒とは……神道の祭祀で用いられる祓具の一種

入魂式を経て御神体となった大蛇山が御幣棒をつけた頭を左右に振るのは、祓いの儀。

さらに、花火で田畑の害虫を駆除し、煙幕が家の戸口から入り込み不浄と悪疫を祓うとされています。

これら全てが相まって『五穀豊穣』『悪疫退散(無病息災)』『家内安全』を祈願する祭礼行事として成立しているんですね。

歴史の中で受け継がれた伝統ある祭り『大蛇山』

大蛇山は元来、水神信仰と祇園信仰の要素が絡み合って出来上がったものだと言われています。

そして祇園宮を有するのが、大蛇山祇園六山と総称される『三池本町祇園宮』『三池藩大蛇山三池新町彌剱神社』『本宮彌劔神社』『大牟田神社第二区祇園』『三区八劍神社』『諏訪神社』なのです。

やがて市内の各地域で商店街や公民館に由来する大蛇山が生まれ、今現在大牟田には20近い大蛇山があります。

大蛇山は江戸時代から長い長い歴史の中で、様々なしきたりと伝統を受け継ぎ守られてきた祭り。

そこには数え切れないほどの『縁の下の力持ち』が存在していたのでしょう。

そんなことを想いながら見る大蛇山が私の目にどう映るのか、今年のレポートをどうぞ楽しみにお待ちくださいね。

次回予告

【まつりを支える人たち】をテーマにお送りしている令和元年度おおむた『大蛇山』まつり特集。

おおむた『大蛇山』まつりのフィナーレを飾る花火大会に向けてまだまだ特集は続きますが、インタビューはここで一旦お休みし、次回は大蛇山レポートです。

準備から後片付けまでの4日間、私も大蛇山と一緒に大牟田を走り回ってきます!

大蛇山が辺り一面に散らす花火の中でお会いしましょう。

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幸森 彩香
1985年宮崎県出身。地域の魅力を可視化するフリーライターとして活動中。言葉と肉と甘いものをこよなく愛する肉食系文学女子。produced by OmutaTwinkles
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