こんにちは、ライターの幸森です。
福岡県では大牟田市を舞台にした映画いのちスケッチが11月8日に公開されました。
もう劇場でご覧になった方も多いかもしれませんね。
セントラルシネマ大牟田をはじめ、県内の劇場では各地で舞台挨拶付きの上映会も実施。
私も大牟田での上映会に参加してきたので、舞台挨拶のレポートと映画のレビューをお届けしたいと思います。
映画をご覧になっていない方にも読んで頂けるよう、ネタバレしない範囲でのレビューにしましたので安心してご覧くださいね。
目次
佐藤寛太さん・藤本泉さん・瀬木直貴監督による舞台挨拶
11月8日から福岡県先行公開となったいのちスケッチ。
9日にはセントラルシネマ大牟田で主演の佐藤寛太さん、藤本泉さん、瀬木直貴監督による舞台挨拶が行われました。
この日2回の舞台挨拶が行われましたが、どちらも満席。
この映画に多くの関心が寄せられていることがよくわかります。
監督からこの大牟田で映画を撮影することになった経緯や、佐藤さん藤本さんから撮影中の裏話などが紹介されました。
佐藤さんは実際に飼育員役を演じてみて、自分が思っていた飼育員とは全然違ったのだそう。
劇中では佐藤さんが体験した飼育員の仕事も細かく描かれていますので、その辺りに注目して観るのも面白そうですね。
また、藤本さんは撮影を通じて大牟田を第二の故郷だと感じるようになったこと、佐藤さんは舞台挨拶中、映画撮影を支えていた地元スタッフの姿が目に入って家族に見られているような気恥ずかしさがあることを話されていました。
お二人がこの映画をきっかけに大牟田に愛着を持って下さったことが伝わってくるようで、きっと会場にいた大牟田の方々は嬉しかったのではないでしょうか。
いのちスケッチレビュー
ストーリー
映画は、漫画家を目指して上京した青年・田中亮太(佐藤寛太)が、夢破れて地元大牟田へ帰ってくるところから始まります。
旧友から紹介され動物園でのアルバイトを始めた亮太は、個性豊かな同僚たちと働いていくうちに、ここが動物の健康と幸せを一番に考える“動物福祉”を大切にしている動物園であると知ることに。
亮太はコミュニケーション能力に長けたタイプではなく、自分の考えや想いを伝えることが苦手な青年です。
園の獣医師・石井彩(藤本泉)は世界中から引き抜きの話が持ちかけられるほど優秀で、自身の進むべき道さえわからない亮太が自分に苦悩する場面も。
それでも動物たちと向き合いながら、少しずつ亮太は成長していきます…。
私はこの亮太の成長する姿が、とてもリアルに描かれていると感じました。
本当に一人の青年の人生を少し覗き見しているような感覚です。
勇気を出して行動してみるものの思うようにはいかず言葉に詰まった亮太に、思わず心の中で「がんばれ!」と言いたくなったのはきっと私だけではないはず。
はっきりしない亮太にもどかしさを感じながらも、劇中の至る所で優しい心を持った青年であることが伝わってくるから応援したくなるんです。
劇中に登場する様々な動物たちもまた、ありのままの様子が映し出されています。
その姿の美しさだったり、表情や仕草の愛らしさだったり、時には鳴き声がクローズアップされていたり。
一つひとつがどれも印象的で「こんな表情するんだ」とか「こんな声だったんだ」なんて新しい発見もたくさんあって、観終わったら動物園に行きたくなっていました。
さらには“動物の幸福とは何か”を考えさせられるエピソードもあり、それを考えることは自分自身の幸せが何なのかを紐解くことにも繋がっているのかもしれないなと。
そう考えると、この映画が伝えようとしているものは、何かしらの答えというよりも課題提起のメッセージではないかと思うのです。
きっと観る人が置かれている状況によって、その課題の焦点も違っていて。
自身の身近な課題を一人ひとりが見つけ出して向き合うことで、この映画の意義はより深まるような気がしました。
実際私の周囲でも「色んなことを考えさせられる映画だった」という声が多く挙がっています。
映画を観終わって考えたことをシェアしてみるのも良いかもしれませんね。
大牟田を知る人間として
私は完成したいのちスケッチを観るのはこの日が初めて。
レビュー執筆のために客観的に鑑賞するつもりでしたが、上映が始まって見慣れた景色がスクリーンに映し出されると、やはり誇らしさや嬉しさがこみ上げてきました。
それは大牟田を知る人間だからこその楽しみ方として、ひとつあって良いものでしょう。
ただ私たちは「大牟田が映画になってよかったね」で終わってはいけないとも考えていて。
100分の映画で大牟田の魅力や取り組みを語り尽くせるものではないと、私は思うんです。
実際に映画を観ていて「この取り組みのこと、もっと深く描いて欲しかった」と感じた部分が正直ありました。
でもそれを言い出したら3時間あっても4時間あっても足りませんよねきっと。
時間的なことだけでなく、様々な背景があって描き切れない部分が出てくるのは致し方のないことでしょう。
だとするならば、その描いて欲しかったことを発信していくことが、大牟田を知り、大牟田に生きる私たちに託された監督からのバトンなのだろうなと。
これから私たちが何を考えどう伝えていくかで、この映画が大牟田にもたらすものは10倍にも100倍にもなっていくように思います。
そんなことをちょっとだけ頭の隅に置いて映画を観て頂けたなら、また違う見え方になるかもしれません。
映画の感想をみんなとシェアしたい方へ
瀬木監督は映画の公開前から大牟田で市民の皆さんと語り合う場を何度も設けられてきました。
そして映画が公開され、ご覧になった方から感想を聞かせてもらいたいとのことで、11月24日にイベントを開催されます。
ここだけの裏話も聞けちゃうかも!?
Facebookで参加者を募られていますので、感想をみんなとシェアしたり監督に伝えたりしたい方はぜひ問い合わせてみてください。
開催日:2019年11月24日(日)
時間:19:30〜20:30
会場:スパイスコットン
所在地:福岡県大牟田市本町1丁目5
会費:2,000円(ワンドリンク+軽食)
定員:40名
https://www.facebook.com/events/471544900132372/
写真提供:大牟田市役所秘書広報課
この記事を読んだ人は以下の記事も読んでいます


最新記事 by 幸森 彩香 (全て見る)
- 大牟田市のボランティア情報【令和2年7月豪雨災害】 - 7月 9, 2020
- 【九州豪雨】大牟田市で被災された方へのお役立ち情報まとめ - 7月 9, 2020
- 【九州豪雨】大牟田市への支援方法まとめ - 7月 9, 2020