”町医者”を掲げ、地域に密着した経営を行っている「医療法人CLSすがはら」の菅原さん。地元大牟田に帰ってきた菅原さんはどのように地域課題に取り組まれているのでしょうか。お話をお伺いしました。
目次
地域を大事にしていかないと事業が成り立たない
大学卒業後、地元大牟田に帰ってきて経営に関わるようになった菅原さん。
大学では環境情報学部を専攻され、医療分野では全くの未経験。
どのように経営に携われていったのでしょうか。
菅原さん:
何も知らないからこそ、素人目で見れました。
素人目に見れることが、逆によかったと思います。
素人目線を逆手に取り、菅原さんからの観点で行動されます。
菅原さん:
大牟田に限らず、日本では高齢化が進んでいます。
これからどれくらい高齢者が増えていくのかを調べてみました。
実際にデータで見た時に、高齢者がいずれ減っていくことがわかりました。
その時に戦略として、スケールを見直さないといけない考えました。
100年企業になるには、今までの延長線上ではない。
地域を大事にしていかないと経営が成り立たない。
それから、子どもに関する事業を始めました。
みんなで街に小さな木を植えていく
それから菅原さんは、新たな活動に取り組まれました。
菅原さん:
”漁師が森に木を植える”ように、自分たちが街に木を植えていこう。
「スモールツリーズプロジェクト」と名前を付けました。
子どもたちからお年寄りまでみんなで、街に小さな木を植えていく活動を始めようと。
経営×まちづくり
菅原さんは、どのように小さな木を植えているのでしょうか。
菅原さん:
まずは、地域にどういったものがあったらいいかを考えることから始めています。
例えば、子どもに関すること。
今は高齢者ばかりに目がいってしまっていて、子どもたちのことは家庭の問題にされてしまっています。
菅原さんは実際に、『子供の夢や希望を育む街へ』を合言葉に、なないろリボンという団体で活動もされています。
なないろリボン
菅原さん:
いろんな所に木を植えていく、地域に必要なものをやっていこうとスタートしました。
今やってることをもっともっと街でやっていきたいです。
街で木を植えていって、活動を広げていきたいです。
関わりながら、やりたいことを
地域で活動をしていく中で、菅原さんの想いに共感して一緒に働いてくれる仲間も増えてきているそうです。
実際に地域で経営を行っていく上で大切にされていることは何でしょうか。
菅原さん:
経営に携わっていると、「地方は”効率性”だけではない」と感じています。
うちの病院には、60〜70代の方もいらっしゃいます。
高齢の方たちが動ける時間で、子どもを見てもらうことで多世代交流になります。
また病院の場所を使ってカメラ部やヨガサークル、料理教室等の活動が行われています。
一見病院なんかと何の関係もない活動ですが、多様な人たちが集まることによってそこに新しいつながりが生まれ、遠回りですが自分たちのやっている事業にもつながりが出てきます。
それを楽しみながらやっています。
菅原さん:
いろんな人と関わりながら、やりたいことができる環境を作りたいです。
活動で関わる中で、うちに来てくれたら嬉しい。
そういった人は、何かするときに『すがはら』のカラーを理解してくれてやってくれます。
なので僕自身としては、経験や苦労を共有していく仕掛けをしていきたいです。
一見すると、経営には関係ないようなことでも、お互いを知っていくことで中長期に見ると+になっていく。
その中で仲間が増えていくことで、お互いを理解し合えているので、活動の幅が広がっていく。
遠回りのように思えますが、目の前のことでなく長い目でみて活動をされています。
一人一人が自分の役割を持って輝く
菅原さんは、今後はどのようなことに取り組まれていくのでしょうか。
菅原さん:
大牟田には頑張っている人たちが多いです。
なので僕個人としては、多くの問題を解決するために目的を持った人たちを繋いでいきたいです。
そういった垣根を越えることができる人たちが集まるからこそ面白いですよね。
人と出会うことで新たなモノが生まれます。
新たな出会いで、人それぞれのできることが光る。
それぞれの役割が光って、街が良くなっていきます。
その結果として、経営につながれば嬉しいですね。
取材を終えて
柔らかい口調で丁寧にお話をしてくださった菅原さん。
その柔らかさの中に芯が通っていて、強さを感じました。
それは、今まで考えて行動されてきたからこその言葉の深みだと感じました。
中長期的な長い目で物事を捉え、ひとつひとつの活動を行われている菅原さん。
菅原さんが描いていくこれからの大牟田はどのようになっていくのでしょうか。
これからの菅原さんにワクワクしてしまいます。
医療法人CLSすがはら