駛馬天満宮令和元年度秋季大祭『うそ替えまつり』へ行ってきました!

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こんにちは、ライターの幸森です。

先日駛馬天満宮で開催された秋季大祭『うそ替えまつり』に参加してきました。

近隣にお住いの皆さんには恒例の行事となっているようですが、大牟田市内でもご存知ない方や行ったことがない方も多いとのこと。

うそ替えまつりは毎年3月と9月の24,25日に開催されているので、次回訪れるきっかけになればと思い、レポートをお届けすることにしました。

今年参加された方も、知らなかった、参加できなかったという方も、ぜひご覧ください。

菅原道真公を祀る駛馬天満宮

大牟田市宮原町にある駛馬天満宮は夢まくら神社とも呼ばれ、菅原道真公を祀っています。

道真公は大宰府に流された際、都に残されて悲観に暮れているであろう奥方や子孫を想い、鏡に向かって描いた自画像を送り慰めたのだとか。

道真公の逝去後、それを京に運んだ部下の夢枕に道真公が立ち

「京にある自画像を乞うて御木国米生(みきのくによねお)の荘(しょう)に社を作り、産土神として祀るべし」

と告げたことから、自画像を御神体として承平3(933)年に社殿を作ったそうです。

このことから駛馬天満宮は夢まくら神社と呼ばれ、良き眠りと共にありがたい御真徳を受けられるという夢枕守の授与が行われています。

道真公の使い『鷽』に由縁するうそ替えまつり

駛馬天満宮の境内には二体の鷽像があることをご存知でしょうか?

鷽の実物はスズメより少し大きく、口笛のように細く美しい鳴き声が特徴です。

オスだけが頬から喉元にかけて紅い色をしているため、この二体の鷽像はそれぞれオスメスをモチーフにしているのでしょう。

この鷽という鳥は様々な由縁から道真公の使いとされていて、うそ替えまつりは同じく道真公を祀る太宰府天満宮が発祥です。

前年の災いを嘘に替え、知らず知らずのうちについた嘘も全て天神さま(道真公)の誠心に替え、今年の吉に取り替える神事なのだそう。

駛馬天満宮でも古くから執り行われており、神前で嘘を木鷽に交換して誠に取り替え罪を滅ぼすとされています。

神事に用いられる木鷽は各地様々ですが、駛馬天満宮で授与されるのは2種類の大きい木鷽と、番号がふられた小さい木鷽。

頭から切込みが入っているところまでが鷽の身体を表していて、木にとまっている姿を表現しているそうです。

大きい木鷽の方には可愛らしい足が描かれています。

木鷽は全て総代の皆さんが手彫りで制作し、神職さんが絵付けや番号入れをして仕上げるのだそう。

それぞれにちょっとずつ雰囲気が違うので、自分好みの木鷽を見つけ出すのも楽しみの一つになっているようですよ。

番号がふられている方はその場で抽選に参加できるほか、最終日の夜に行われる祭典で当たり番号に選ばれると、金の木鷽を授かることができるのです。

もちろん金の木鷽でないからといって御利益がないわけではありません。

授与された木鷽は神棚にお祀りして、除災招福と家運隆盛を祈願しましょう。

▼大祭中の限定御朱印には紅と金の鷽が

秋季大祭でしか見られない儀式があった!

春季大祭では子ども神輿が登場しますが、秋季大祭では2018年から『四條流庖丁儀式』が奉納されています。

駛馬天満宮では一年に一度しか見られないこの儀式、一体どういうものなのでしょうか。

うそ替えまつり2日目となる25日の朝、駛馬天満宮では拝殿で神事が執り行われます。

祝詞奏上、玉串奉奠を行った後、道真公の御霊を慰めるため浦安の舞を奉納。

舞の奉納が無事に終わった後、神殿前で四條流庖丁儀式の奉納が始まります。

この四條流というのは平安時代から始まると伝えられている日本料理の流派で、庖丁儀式は宮中行事の一つとして行われてきたもの。

神さまが食べる物への儀式として、平安朝の時代の装束をまとい庖丁刀と真魚箸(まなばし)のみを使って、まな板の上の鯉や真鯛など食材に手は触れずにさばきます。

現在でも皇室神宮の行事で行われる、日本料理の伝統を今に伝える厳粛な儀式とのこと。

奉納するのは大牟田市の白山亭で総料理長を務められている櫻井誠二さん。

櫻井さんは四條中納言山蔭嫡流の庖丁道九州保存会で会長も務められており、伝統的な儀式を地元の方々にもぜひ見て頂きたいとの想いで昨年から駛馬天満宮秋季大祭での奉納を始められたそうです。

大きなまな板に載せられた鯉に一度も手を触れることなく丁寧にさばいていく様子は圧巻!

あれよあれよという間に鯉が姿を変えていきました。

さばき終えた鯉にも手では触れず、庖丁刀と真魚箸で器用に盛り付けていく櫻井さん。

花を添えられた鯉は宮司さんへと手渡され、神前に奉納されました。

前日に総代さんから「見応えのある儀式だからぜひ取材にくるといいですよ」と教えて頂いてお伺いした庖丁儀式。

お話を聞いたときには何があるのかよく理解できていませんでしたが、実際に目にすると非常に美しい所作で粛々と執り行われる様子に感銘を受けました。

大牟田にこのような伝統的な儀式を執り行える方がいらっしゃることが誇らしいですよね。

今回見逃してしまった方も、ぜひ次の機会には足を運んでみてはいかがでしょうか。

庖丁儀式の動画公開中

YouTubeにて儀式の様子をUPしました!

どうぞこちらもお楽しみください。

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幸森 彩香
1985年宮崎県出身。地域の魅力を可視化するフリーライターとして活動中。言葉と肉と甘いものをこよなく愛する肉食系文学女子。produced by OmutaTwinkles
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