環境に安全でお客さんに安心の農作物を大牟田で作っていらっしゃる小宮宏さん。新規就農されるキッカケ、農作物への想いを聞きにお伺いしました。
目次
農業は人と人の繋がりを回復できるもの
農業をやりたいと思ったキッカケは『スローフードな日本!』(島村菜津著・新潮社)という本でした。農業は人と人の繋がりを回復できるものだと思い、農業をすることを決めました。
その本の中で農家の方が紹介されていて、特に古野隆雄さんの合鴨農法に興味を持ったんですね。でも農業はやったことがなかったので、どうしようと思って古野隆雄さんのホームページを見たら、毎年一人ずつ研修生を募集していたので、応募しました。そこで実際に1年間研修を受けました。
地主さんと家主さんとの偶然の出会い
土地を探さないといけなくて、母親に話したら探してくれてて。土地を紹介してくれる人がいるから、南関町役場に行くよと。っで、役場に向かってるときに、道を間違えてしまったんですよ。近道と思って笑。そしたら人の家に入り込んでしまったんですよ。家の人が靴を履いてる途中で
家の人:何事ですか〜?
母親:すみません道間違えました〜、今から息子が農業始めるんで南関町役場に行くんです
家の人:あんたやる気あるね?
小宮さん:あります
家の人:じゃあ、貸してやるからうちの土地を見に来い
それが地主さんとの出会いでした。
偶然道に迷い込んだら土地を貸してもらえることになったんですね笑。それで大牟田で農業をやることにしました。
南関のほうも見に行ったんですが、こっちに決めました。家も母親の知り合いに貸していただいてます。母親が道の駅でたまたま十数年ぶりに友人に会ったときに息子が農業始めるからどっか家ないかといった話をしたら、母親が住んでた家があって今は空き家になってるけどと。じゃあ見せてと笑。本当偶然です。家も農地も近くて。でも、人が住んでない期間が長かったので、傷んでて床も腐ってました。荷物もたくさんありましたしね。
農作物への想い
今は年間通して50種類ほどの農作物を環境に安全な農法で作っています。実際に自分で宅配で売ったり、売り場に立って販売しているので、お客さんが選ぶ楽しめるように少量多品種でやっていますね。販売は嫁に任せてます。そっちの方が売れるんですよね。販売してるとお客さんからどう料理するかを聞かれるので、実際に料理している嫁の方が具体的に答えるので説得力があります。野菜の収穫や袋詰めは二人でやります。販路拡大はいろいろやりました。幼稚園にいったり、整骨院で売ったり、雨の日も雪の日もたってました笑。
売っていて嬉しいのは、無農薬だからという理由で買ってもらうより、美味しいから買うよっていう方が嬉しいです。無農薬だから美味しいというわけではないんですよね。無農薬でも美味しくないのは、美味しくない。
最近こだわるのってあんま良くないなと思ってきたんですよね。こだわるのってのは自分中心の考え。もちろん適当にやれってわけじゃないです。自分が正しいと思ってていいけど、9割正しいと思ってても、1割はもしかしたらちょっと違うんじゃないかという謙虚さが大切なんじゃないか。違う人の意見も聞いてみようかなと。っで、より良くしていけばいい。より安全で美味しいものができてたくさん育てていく、美味しいものであればお客さんももっと食べようと思って健康になる。自分のためにやってるわけじゃなくて、お客さんに健康で美味しく食べてもらいたい。より安全で美味しいものであれば農法はなんでもいいと思いますからね。自分は手法を無農薬農法を選んだだけ。目標があれば手段はどれでもいいと思います。
運も大切
地主さんや家主さんとの出会いも運。別の道に行ってたら出会ってなかったですし。けっこう運て大事じゃないすか?人生振り返ってみも。ただの偶然もいくつか重なりますからね。いっこでもそれずれてたら繋がってないですからね。運がいい人は決断のタイミングがいい。運がいいときでも何もしなかったら、何も生まれない。やろうとする決断。最近そういったものを大切にするようになってきましたね。
取材を終えて
とても優しい雰囲気をお持ちの小宮さん。今は口コミでお客さんが増えて生産が間に合っていないほどになっているそうです。
運がいいと言われていらっしゃって、運がいいのは小宮さんの人柄の良さや行動力だからこそだと感じました。
新規就農に興味がある方や、安全安心な農作物をお探しの方はぜひ一度小宮さんの作られた農作物を食べてみることをオススメします。
小宮農園
TEL/FAX : 0944-58-0188