令和元年度おおむた『大蛇山』まつり特集episode00岡田則彦(大牟田神社第二区祇園二区祇園會青年団長)

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こんにちは、ライターの幸森です。

【まつりを支える人たち】をテーマにした今年度のおおむた『大蛇山』まつり特集では、所属先やポジションにこだわらず、縁の下の力持ちを探して巡っていきます。

このテーマは、昨年大牟田神社第二区祇園二区祇園會へ密着取材させて頂いた際に『一人ひとりが自身の役割を全うして初めてまつりが成り立っている』と感じたことから生まれました。

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もともと特集を組む予定がなかった昨年ですが、二区祇園會の岡田則彦さんにインタビューさせて頂いたことをきっかけに、祇園六山の製作現場を回ったり密着取材を行ったりしました。

つまり岡田さんとの出会いがなければ、昨年も今年も特集を組んでいたかはわからないと言っても過言ではありません。

そこで今年度の特集では、私を大蛇山の世界に導き入れてくれた岡田さんにスタートを切って頂くことに。

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岡田さんは今年度より二区祇園會の十三代目青年団長となり、また新たな立ち位置から大蛇山まつりを支えられています。

【おおむた『大蛇山』まつりを支える人たち】について、お話を伺いました。

青年団長になった今

今年度も大蛇山特集を組むと決めた際、私はどうしてもこの人の話を聞かずしてスタートできないという気持ちになり、昨年に引き続き二度目のインタビューを受けて頂くことに。

岡田則彦さん

1986年大牟田市出身

六山事業推進部 部長

大牟田神社第二区祇園 二区祇園會 青年団長

岡田さんに連絡してみると、大牟田神社で毎晩大蛇山の製作を行われているとのこと。

早速大牟田神社へ向かうと、そこには仲間たちと共に製作に励まれている岡田さんの姿がありました。

二区祇園會では毎年10月の定時総会を新年度の始まりとされているため、岡田さんが団長になって既に8ヶ月。

仲間たちから「団長」と呼ばれることにも慣れた様子です。

私は岡田さんに、青年団長となった今の心境について尋ねてみました。

岡田さん:

「重みが違いますよね、一番は。

子どもたち、保護者、そして仲間たち、全てを背負っていますから。

先輩たちは口を出さずに見守ってくれるようになったので、全部自分が指示を出して動かしていかなきゃならないですしね。

副団長だったころとは全く違います。

でもこれまで色んな経験の中で苦労苦難を乗り越えてきたからこそ感じられる重みだと思うし、その分楽しいとも感じていますよ。」

▼2018年の山崩し巡行にて。十二代目青年団長と固い握手を交わす岡田さん。(当時副団長)

責任の重い立ち位置である青年団長。

岡田さんは以前からそこを目指していたのでしょうか。

岡田さん:

「子どものころは自分が団長になるなんて思っていませんでした。

太鼓が好きで大蛇山の世界に入ったので、実は『囃子長になりたい』とかって思っていたんです。

でも色んな部署での経験を重ねて副団長になって、次第に『いつかは自分が団長の役目を担うんだ』という想いや憧れが育まれていきました。」

長年携わっていく中で生まれた憧れが、岡田さんの背中を押していたんですね。

岡田さんはこれからどんな風に団長の役を全うしていくのでしょうか。

岡田さん:

「実際に担ってみたら、理想と現実の違いが少なからずありますよね、やっぱり。

だから今は少しでもその理想に近付けるよう頑張っているところです。

やるからには頂上を目指したいじゃないですか。

そこにどれだけの仲間を連れていけるか、全員を連れていくために何をすべきか。

それは常々考えています。

団長になった今、自分たちがいかに団長に引っ張ってもらっていたか、そしてどれだけ守られていたかを痛感していて。

僕も歴代団長のようにみんなをしっかりと守りながら、頂上まで引っ張っていきたいですね。」

相変わらずバリバリに熱い岡田さん。

理想を現実に変える日はそう遠くないのかもしれませんね。

支え合える男臭さ

六山事業推進部にも在籍していて、二区祇園會では団長の役を担っている岡田さんは、まつりを支える『縁の下の力持ち』についてどう思われているのでしょうか。

▼2018年の本祭終了後に撮影した二区祇園會の皆さん。

岡田さん:

「二区だけのことで言えば、竹伐りから製作、そして本祭まで、各部署ごとに責任をもってそれぞれの役割を果たしますし、地域の方々にも様々な面で支えられています。

確かにみんながいて初めて成り立つことですよね。

でも正直なところ『支え合ってやっていこう!』みたいな意識って実はあんまりないんじゃないかな、みんな。

当たり前のように自然と支え合える関係が、伝統と一緒に受け継がれてきているんだと思います。

もちろん、支えられていることや支えている人の苦労にはみんな気付いていますよ。

そこを共有できているからお互い苦にならないし、支えてくれた人がくじけそうになっていたら今度は自分が黙って肩を貸してやれる。

僕たちは普段、目的地に向かってがむしゃらに走っているんですよね。

それでふと立ち止まったときに『あいつのおかげ』って感じる瞬間が、一人ひとりにあって。

そういう『自然と支え合える男臭さ』みたいなものがあるのかな、二区には。」

▼2018年山崩し巡行中の二区祇園會の大蛇山。

岡田さん:

「僕自身、団長として仲間たちに色んな場面で支えられていますよね。

例えば今行っている製作にしてもそうです。

会長たちには6月中に完成させると報告しているので、間に合わなければ団長の責任になります。

でも汗を流しながらもくもくと作業する製作長、それを見て自発的に手伝う会員、みんながいてくれるから間に合わせることができる。

まさに今、支えられている瞬間だと感じますし、本祭までそんな場面がいくつもあるんだろうなって。

人はみんな支え合いの中に生きているんでしょうけど、祭りは身をもってそれを深く感じられる貴重な場ですよね。」

岡田さんにお話を伺っている間も、二区祇園會の皆さんは協力し合って大蛇山製作を進められていました。

岡田さんが何を言うでもなく、誰かが「ここまでやらせてください!」と声を上げると、自然とみんながその作業を手伝っていて。

一旦仕事で抜けてもまた戻ってくる人がいたり、人手を増やせないか仲間に連絡を取る人がいたり……。

思うにそれは『団長のため』ではなく、そこに自分のやるべきことや出来ることをそれぞれが見出しているからなのでしょう。

でもそれが結果として団長の支えになっていて、団長はまた違う形で仲間を支えていく。

岡田さんの言う『支え合える男臭さ』をそこに垣間見た気がしました。

令和元年度の祭りに向けて

団長としてより責任のある立場についた岡田さんは、男らしさにさらに磨きがかかったように見えます。

最後に祭りに向けて意気込みを聞かせて頂きました。

岡田さん:

男をはるだけ、ですね。

みんなに支えられて団長をさせてもらってるんで。

返せるのはそれだけかなと。

仲間に最高の景色を見せてあげられるように。」

静かに、でも想いが詰まった力強い言葉で締めて下さった岡田さん。

今年も二区祇園會の皆さんと一緒に熱い熱い祭りを創り上げてくれることでしょう。

あなたもぜひおおむた『大蛇山』まつりへ出掛けて、その光景を目に焼き付けてきてくださいね。

きっと大蛇山や大牟田のことをもっと好きになるはずですよ。

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次回予告

いよいよ始まった令和元年度おおむた『大蛇山』まつり特集。

次回はおおむた『大蛇山』まつりのスタートを飾る『港まつり』を支えている人たちにスポットをあてた記事をお届けする予定です。

お話を伺ったのは、港まつりの会場を色鮮やかに彩っているランタンの制作チーム。

今年の見どころや、どんな想いでまつりに携わられているのかをご紹介します。

楽しみにお待ちください。

まだまだ取材対象者も募集中!

我こそは・この人こそおおむた『大蛇山』まつりを支える縁の下の力持ちだと言う方のご連絡・ご紹介をお待ちしております。

取材対象者募集に関する詳細はこちらから

https://www.omuta-hitomeguri.jp/2019polca

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幸森 彩香
1985年宮崎県出身。地域の魅力を可視化するフリーライターとして活動中。言葉と肉と甘いものをこよなく愛する肉食系文学女子。produced by OmutaTwinkles
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